神と自由を否定する共産主義との対決は避けられない
 文鮮明先生はアメリカ全土を疾風のごとく東西南北に奔走しながら、どのようなみ言葉を叫ばれたのか。
 その骨子を大別すれば、次の二つに要約することができる。

第一は、自由世界が共産化の危機の中にあるということである。
「自由世界よ、特にアメリカよ、眠りから覚めよ」という叫びである。
そして、共産主義との戦いは自由世界にとって宿命的な戦いであり、その本質は理念と思想の戦いだということである。
 共産主義の正体は単に一人の独裁者や一つの独裁国家ということではない。
共産主義は歴史の必然性をもって生まれてきた、人類歴史上必ず経験して乗り越えなければならない一犬勢力であり、その本質は神を否定する悪魔(サタン)そのものである。
 共産主義の思想はカールーマルクス (1818~83)によって設計され、一九一七年にはロシアでウラジーミルーレーニン (一八七〇~一九二四) の指導下に地上の政治権力を手に入れた。
それ以降、共産主義は世界制覇の野望を抱いて無慈悲に人類を奴隷化するようになった。
そして半世紀を経て、この悪魔の思想は主権国家のうち五十三力国、地球上の土地の39パーセントトを支配し、世界人類の42パーセントを鎖に繋ぐようになった。
これは実に驚くべきことである。
 二千年前、イエスキリストの誕生によって現れた神の思想、イエスキリストの福音が、キリスト教として今日までに世界最大の宗教となり、世界人口の四分の一を信者にするという驚異を生み出した。
しかし、ここまで来るのに二千年という時間が流れている。
 ところがそれとは反対に、「神はいない」と説く悪魔の宗教、「宇宙の真実はただ物質のみ」「軍魂々来世はみな弱い人間の幻想から来るもの」「宗教は人類の阿片である」
と叫ぶもう一つの恐るべき宗教、共産主義は、わずか五十年のうちに、キリスト教2千年の業績をあざ笑うかのように、世界人類の半分を呑み込んでしまったのである。

 さらに理解し難いことに、四大聖者を中心とする唯心論的宗教が健在でありながら、この恐ろしい共産主義の蔓延を全く防止できなかったという事実がある。
中でも神を「父」と呼んで侍り、神のひとり子を教主として侍るキリスト教の一部が、共産主義の前にひざまずいてしまった。
「解放神学」とか「キリスト教社会主義」とか言いながら、共産主義の先鋒部隊となっていくのを目撃しなければならなかった。
南米では、共産主義テロリストの首魁チエーゲバラ(キューバ革命の指導者。)を英雄視して、回一十世紀の新しいイエス」とまで言う始末である。
そしてカトリックの神父たちが彼の手下とかっている。
 これらの状況をどう説明すればいいのだろうか。
文鮮明先生はその理由を明らかにされた。
「統一原理」ははっきりと教えてくれている。
 人間始祖アダムと工八が創造され、エデンの園で成長するようになると、神のI被造物であった天使長ルーシェルは、邪心と功名心から神のひとり娘エバを狂わせて天下を奪い取った。
それは、サタンとなったルーシェルが堕落したエバを前に立てて、神のひとり子アダムをも堕落させたためである。
それ以来、地上における神の善主権は日の目を見ることができず、地上の全権がサタンの主管圏内に入り、人類歴史は悪主権またはサタン主権の下に営まれてきた。
 これに対して、神は人類救済という不変の目標を立てられた。神は(聖書的にみて)六千年の摂理歴史を通してノア、アブラハム、モーセら義人や指導者を召命し、彼ら
によって地上に「信仰基台」を立て、ついに第二のひとり子イエスキリストをメシヤ(救世主)として誕生させたのである。
 送られたひとり千イェスーキリストは、選民イスラエルの不信によって十字架上で亡くなられたが、キリスト教は世界宗教となり、この世界的キリスト教圏の基盤の上に、人類歴史の終章となる再臨の日を迎えることができた。
 この神の摂理を熟知していたのがサタンであった。
サタンは徐々に自己の悪の勢力圏が狭まっていき、サタン主権最期の日が近づいていることを実感せざるを得なかった。
こうしてサタンは、最後まで生き残ってサタン主権を永続させるための戦略を立てるようになったのである。
そのサタンの戦略が共産主義という形態で現れてきた。
 では、共産主義とは何であろうか?
 それは「神がいない」という思想である。
そして神だけでなく、すべての霊的な存在を否認する。
霊魂、精神、霊界、天国などは存在しないと主張する。
霊的な存在であるサタンが、自分も霊的存在であるのに、最終的にその自分自身までも査認して神の実在を拒否する思想、それが共産主義である。
唯物主義、物質主義によってこの世界をもう一度完全にサタン自身の手の内に取り込もうというのだが、愚かなことである。
共産主義はサタンが作り出した最後の武器である。
共産主義はサタンの最後の戦略、いや最後の発悪である。
 このサタンの戦略を百八Iセント知っている方は、たった一人しかいなかった。
その方は当然、神のひとり子であらざるを得ない。
その方がまさに文鮮明先生であった。



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